仙台簡易裁判所 事件番号不詳 判決
主文
被告人を罰金参万円に処する。
右罰金を納めることができないときは金弐百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は全部被告人の負担とする。
理由
被告人は約二十年以前より貸金業を営む者で昭和二十四年九月三十日(貸金業等の取締に関する法律附則2により現に貸金業を行つている者が大蔵大臣に届出書を提出すべき最終日)当時数十人に対し約七十口位に合計金四百万円位を貸付けていたものであり、昭和二十四年九月三十日までに所定事項を記載した届出書を大蔵大臣に提出してその届出受理書の交付を受けなければ右業務を継続することができないのに拘らずその手続をとらずに
一、昭和二十四年十月十日頃、松村松太郎に対し金参万円を木村重左衛門を通じて利息弁済期を一任せしめて貸与し
二、同年十月二十一日頃三宅重吉との間に予て貸与してあつた金参万円につき利息を月一割とし約束手形を振出さしめてこれを受領整理し
三、同年十一月二日頃及川嘉一郎との間に予て貸与してあつた元金に利息を含めて金五万円とし利息を月一割と定め約束手形を振出さしめてこれを受領整理し
四、同年十一月八日頃高橋薫子に対し金弐千円を利息月一割弁済期月末と定めて貸与し
五、同年十一月二十四日頃菊田茂に対し金参千円を弁済期一ケ月後利息月一割と定め一ケ月分の利息を天引して貸与し
六、同年十二月四日頃高橋多利蔵に対し金五千円を同人の妻高橋ヌイを通じて貸与し
以て不法に貸金業を営んだものである。
(立証省略)
法律に照すと被告人の判示所為は貸金業等の取締に関する法律第五条に違反し同法律第十八条第一号に該当するのでその所定刑中罰金刑を選択しその定められた金額の範囲内で被告人を罰金参万円に処し、右罰金を納めることができないときは刑法第十八条第一項第四項により金弐百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する言渡をし訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項により全部被告人に負担させる。
よつて主文のとおり判決する。(昭和二七年一二月二三日仙台簡易裁判所)